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妊活中・妊娠中の抗ヘルペスウイルス薬使用の是非 ― アシクロビル/バラシクロビルは使ってよいのか ―

[2026.01.05]

妊活中あるいは妊娠中に、
抗ヘルペスウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)を使用してよいのかどうかは、
医療者側が正確な安全性データを把握したうえで判断すべきテーマです。

特に、

  • 妊活中に偶発的に内服した場合

  • 妊娠判明前後に単純ヘルペスが再発した場合

  • 妊娠後期の性器ヘルペス管理

といった 判断を要する場面は実臨床で確実に存在 します。

本稿では、日本の添付文書およびヒトでの疫学データをもとに、
妊活中・妊娠中における抗ヘルペスウイルス薬使用の是非を整理します。


使用される主な抗ヘルペスウイルス薬

  • アシクロビル

  • バラシクロビル
    (体内でアシクロビルに変換されるプロドラッグ)

いずれも
単純ヘルペスウイルス(HSV-1 / HSV-2)、
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に対して用いられます。


妊活中(妊娠を計画している時期)

結論

原則として使用可

根拠

  • ヒトにおける観察研究で
    催奇形性の増加は認められていない

  • 妊娠初期曝露例を含む大規模レジストリでも
    先天異常率は一般集団と同程度

  • 半減期が短く、体内残留性が低い

したがって、
再発性単純ヘルペスなど 医学的に投与適応がある場合
妊活中であること自体を理由に投与を避ける必要はありません。


妊娠中の使用

結論

必要性があれば使用可(利益がリスクを上回る場合)

妊娠初期(〜12週)

  • 器官形成期であり、不要な薬剤は避けるのが原則

  • ただし

    • 初感染

    • 症状が強い再発

    • 全身症状を伴う場合

    では、治療を行う医学的合理性がある

妊娠中期・後期

  • 使用制限は相対的に緩和

  • 妊娠後期(36週以降)には
    性器ヘルペス再発抑制目的での予防投与が行われることがある
    → 分娩時の新生児ヘルペス感染予防


胎児・妊娠への影響

  • 胎盤通過性:あり

  • しかし
    胎児毒性や奇形リスク上昇を示す疫学的証拠はない

  • 新生児転帰についても
    有意な悪影響は報告されていない

一方で、

  • 母体の重症ヘルペス感染

  • 分娩時の活動性性器ヘルペス

は、新生児にとって重大なリスクとなるため、
治療しないことのリスクが問題となる場面が存在します。


授乳中の使用

  • 母乳中へは少量移行

  • 通常量内服であれば
    乳児への臨床的影響は極めて低い

  • 原則として 授乳継続は可能


まとめ(臨床的整理)

  • 妊活中:原則使用可

  • 妊娠中:必要性があれば使用可

  • ヒトデータ:催奇形性上昇は認められていない

  • 判断の本質:
    薬のリスクと、治療しないことのリスクの比較


実臨床でのポイント

  • 「妊娠中は一切使えない薬」ではない

  • 妊娠週数、感染部位、症状の重症度を踏まえて判断

  • 不安が強い場合は
    最小有効量・最短期間での使用と十分な説明が重要


参考文献(エビデンス)

  • Acyclovir Pregnancy Registry

  • Pasternak B, et al. JAMA. 2010

  • 日本産科婦人科学会 各種診療指針

  • 各製剤 添付文書


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https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08874

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