健康診断で「異常あり」と言われたら?数値の見方と病院に行くべき目安を解説
「健康診断の結果で“再検査をおすすめします”って書かれてたけど、病院に行った方がいいのかな?」 そんな不安を抱えている方に向けて、今回は数値の意味と受診の目安を丁寧に解説します。
よくある異常値とその意味
【GOT/GPT(AST/ALT)】肝機能
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基準値:GOT 8~38 / GPT 4~44(U/L)
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高値の原因:お酒、脂肪肝、肝炎(B型・C型)、薬剤性肝障害など
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受診目安:GPT>70、あるいはGOT・GPT両方が高値なら要受診。軽度高値(50未満)で無症状かつ肥満傾向なら経過観察も可
【γ-GTP】肝機能・胆道系
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基準値:16~73(U/L)
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高値の原因:アルコール、胆石症、脂肪肝、薬剤性
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受診目安:γ-GTPが100を超えるようなら受診を。飲酒習慣ありで200超えていれば特に注意
【血糖値・HbA1c】糖尿病の評価
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基準値:血糖値 70~110mg/dL / HbA1c 5.5%以下が望ましい
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異常の意味:食後高血糖、糖尿病予備軍、本格的な糖尿病
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受診目安:HbA1cが6.0%以上なら精査・治療開始を検討。血糖が高くてもHbA1cが正常なら誤差の可能性も
【クレアチニン・eGFR】腎機能
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基準値:クレアチニン 男性0.7~1.1 / 女性0.5~0.9mg/dL
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異常の意味:慢性腎臓病(CKD)、脱水、薬剤の影響
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受診目安:eGFR<60 または クレアチニンが徐々に上昇している場合
【LDLコレステロール・中性脂肪】脂質異常症
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基準値:LDL <120 / TG <150(mg/dL)
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異常の意味:動脈硬化・心筋梗塞リスク
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受診目安:LDL >140 や TG >200は治療検討対象。食後で一時的に高い場合もあるので、連続して高値かどうかも重要
「どこまでが“様子見”でいいのか?」
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再検査だけ勧められているが自覚症状がない
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境界値ぎりぎりで、生活習慣の乱れに思い当たる節がある
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結果が来るまでに1~2か月以上空いている
このようなケースでも、一度内科を受診してデータの“意味”を見直すだけで安心できます。結果をお持ちいただければ、当日中に説明・必要に応じて再検査が可能です。
まとめ
健診で異常があってもすべてが“すぐに病院”とは限りませんが、数値の背景や推移を見ないとわからない病気もあります。 “なんとなく放置”が一番危険。気になったら気軽に相談できる内科が健康を守る鍵になります。
参考文献(エビデンス)
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厚生労働省「e-健診」ガイドライン
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日本肝臓学会 肝疾患診療ガイドライン2023
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日本糖尿病学会 診療ガイドライン2023
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日本腎臓学会 CKD診療ガイドライン2023
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日本動脈硬化学会 脂質異常症ガイドライン2022
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