リフヌア(ゲーファピキサント)とは何か
リフヌア(ゲーファピキサント)とは何か
[2025.12.22]
リフヌアは、**慢性咳嗽(8週以上続く咳)**に対して2022年に日本で承認された新しい作用機序の治療薬です。
従来の「原因疾患を治療する咳止め」とは異なり、咳そのものの神経過敏を抑える薬という位置づけになります。
適応
- 既存治療(喘息、GERD、後鼻漏など)を行っても改善しない
- 原因が特定できない、または複数要因が絡む慢性咳嗽
作用機序:P2X3受容体拮抗薬
咳は「気道の知覚神経」が刺激されることで起こります。
リフヌアは、この神経末端に存在するP2X3受容体を阻害することで、咳反射の過剰な興奮を抑制します。
- 炎症を抑える薬ではない
- 中枢性鎮咳薬(コデイン等)とも異なる
- 末梢神経レベルでの“咳過敏”を抑える
このため、画像や検査で明確な異常がなくても咳が続く症例に使われます。
効果のエビデンス(要点)
- プラセボ対照試験において
- 咳回数の有意な減少
- 咳によるQOL低下の改善
- 効果は服用開始後比較的早期(数日〜数週)に出現
※「完全に咳が止まる」薬ではなく、頻度と強さを減らす薬です。
主な副作用:味覚障害
リフヌアで最も重要なのは**味覚異常(味が薄い・変に感じる)**です。
- 発現率は比較的高い
- 多くは可逆性(中止後に改善)
- 日常生活への影響が理由で中止される例もある
この副作用は、P2X3受容体が味覚神経にも関与しているために起こります。
「類似薬」はあるのか?
結論
現時点で、日本で使用できる“同じ作用機序の薬”はリフヌアのみです。
ただし、以下の位置づけの薬が「代替として検討されること」はあります。
従来の慢性咳嗽治療薬との違い
中枢性鎮咳薬(デキストロメトルファンなど)
- 脳の咳中枢を抑制
- 慢性咳嗽では効果が限定的
末梢性鎮咳薬(麦門冬湯など)
- 気道粘膜保護・鎮咳
- 効果はマイルド
抗アレルギー薬・吸入ステロイド
- 原因が明確な場合は有効
- 原因不明咳嗽では無効なことが多い
「原因治療が効かない咳」に初めて対応できた薬がリフヌア、という整理になります。
海外の類似開発薬(補足)
海外では、P2X3受容体拮抗薬の改良型が開発されています。
- 味覚障害を減らす目的
- P2X3選択性を高めた薬剤
ただし、日本では未承認であり、臨床使用はできません。
実臨床での使いどころ
リフヌアは以下のような場面で検討されます。
- 検査を一通り行っても原因が特定できない
- 咳喘息・GERD治療をしても改善しない
- 夜間や会話時の咳で生活の質が大きく低下している
一方で、
- 急性咳嗽
- 感染症による咳
- 原因疾患が未治療の段階
では第一選択にはなりません。
まとめ(要点)
- リフヌアは「咳過敏」を抑える新機序薬
- 原因不明・治療抵抗性の慢性咳嗽が主な適応
- 最大の副作用は味覚障害
- 日本で使える同系統薬は現時点ではリフヌアのみ
参考文献
- 日本呼吸器学会 慢性咳嗽診療ガイドライン
- Smith JA et al. N Engl J Med. 2020
- 厚生労働省 医薬品承認情報(ゲーファピキサント)
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