ゾフルーザは高い -タミフル(先発・後発)と薬価で比べるとどうなるのか-
インフルエンザ治療薬として広く知られている「ゾフルーザ」。
「1回飲めば終わり」という分かりやすさから、希望される方も多い薬です。
ただ、診療する側から見ると、どうしても伝えておきたい点があります。
ゾフルーザは、効果の問題ではなく、薬価そのものが高い薬です。
この点は、タミフルと比べると非常に分かりやすくなります。
まずは薬価の事実から
薬価(執筆時点の例)
・ゾフルーザ錠 20mg
1錠:2,438.8円
・タミフルカプセル 75mg(先発)
1カプセル:189.4円
・オセルタミビルカプセル 75mg(後発・ジェネリック)
1カプセル:およそ110円前後
※薬価は改定されることがありますが、ゾフルーザが高額、オセルタミビル後発が安価という構図は変わりません。
成人1人分の「薬剤費」を比べると
一般的な治療で使われる用量を例に、薬剤費(薬価ベース)だけを比べます。
※診察料・検査料・調剤料などは含みません。
ゾフルーザ
・20mg錠 ×2錠(1回投与)
→ 約4,900円
タミフル(先発)
・75mg ×1日2回 ×5日(計10カプセル)
→ 約1,900円
オセルタミビル(後発)
・75mg ×1日2回 ×5日(計10カプセル)
→ 約1,100円
ここが非常に重要なポイントです。
-
ゾフルーザは「1回」だが、薬剤費は高い
-
タミフル先発はその半分以下
-
ジェネリックになると、さらに安い
服薬回数ではなく、薬価設計そのものの違いです。
効果はそんなに違うのか?
よくある誤解ですが、
-
ゾフルーザのほうが圧倒的に効く
-
タミフルは効果が弱い
といったエビデンスはありません。
日本のインフルエンザ診療ガイドラインでは、
-
ゾフルーザ
-
タミフル(オセルタミビル)
-
イナビル
-
リレンザ
はいずれも抗インフルエンザ薬として同列に扱われています。
発症早期に使用することで、症状の持続期間を短縮する可能性がある
という点で、効果は概ね同程度とされています。
学生・小児では「高い」という実感がない理由
小児や学生では、
-
医療費自己負担0割
-
もしくは極めて低い自己負担
という自治体が多く、
患者さん本人や保護者には「高い薬を使っている」という感覚がほとんどありません。
しかし実際には、
-
ゾフルーザ1人分で約5,000円の薬剤費
-
それが健康保険料や税金から支払われている
という構造です。
「無料だった」
のではなく、
自分以外の誰かが負担している医療費というだけの話です。
ゾフルーザが悪い、という話ではない
誤解してほしくないのは、
-
ゾフルーザを使うべきではない
-
高いから避けるべき
という話ではありません。
・1回で終わる
・飲み忘れが起きにくい
・服薬管理が難しい人には合理的
こうした状況では、ゾフルーザは非常に使いやすい薬です。
ただし、
-
効果が特別に優れているわけではない
-
薬剤費は明らかに高い
-
後発品のオセルタミビルは非常に安価
という事実を知ったうえで選ぶことが大切だと思います。
まとめ
-
ゾフルーザは薬価が高い薬
-
タミフル先発はその半分以下
-
ジェネリック(オセルタミビル)はさらに安い
-
効果はガイドライン上ほぼ同等
-
自己負担0割でも、医療費は社会全体で発生している
抗インフルエンザ薬は、
効き目だけでなく、コストも含めて選ぶ時代だと感じています。
参考文献(エビデンス)
-
日本感染症学会/日本小児科学会 インフルエンザ診療ガイドライン
-
ゾフルーザ錠 医薬品インタビューフォーム
-
タミフルカプセル/オセルタミビルカプセル 医薬品インタビューフォーム
-
厚生労働省 薬価基準
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