インフルエンザA型とB型の症状と違い——型は症状では見分けられない
2026年11月2日更新(2026-27シーズンの情報に書き直しました)
インフルエンザのA型とB型は、出る症状の種類が同じで、症状だけでは見分けられません。外来にかかった方を4シーズン追った研究でも、症状と経過に一貫した差は見られませんでした。どちらの型かは検査で分かり、休む期間の目安は型で変わりません。
インフルエンザA型の症状
厚生労働省は、インフルエンザの症状を、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身のだるさなどが比較的急に出るもの、と説明しています。米国疾病予防管理センター(CDC)は、急に出る症状の例として次を挙げています。
- 熱、寒気
- 筋肉の痛み、頭痛、だるさ
- 痰の出ない咳、のどの痛み、鼻水
熱などの症状は3〜7日でおさまることが多い一方で、咳やだるさは2週間以上残ることがあります(CDC)。高齢の方は、熱が出ないことがあります(CDC)。
インフルエンザB型の症状
B型で出る症状も、上のA型と同じ種類です。厚生労働省とCDCの説明は、A型とB型を分けていません。
B型はお腹の症状が多い、長引く、と言われることがあります。下の研究では、症状に一貫した差はありませんでした。CDCは、吐き気・嘔吐・下痢は小さなお子さんで出ることがある、と型ではなく年齢で説明しています。
症状で型は見分けられない
米国の一地域で2004〜2008年の4シーズンに、検査でA型(901人)またはB型(284人)と分かった方を比べた研究があります。98%は外来で見つかった方です。症状にも、肺炎や入院といった経過にも、型による一貫した差は見られませんでした。違いが出たのは、H3N2が流行したシーズンにA型の方が発症から早めに受診していた点です。
B型だから軽い、とは言えない
上の研究では、肺炎と診断された方は全体の2.2%、30日以内に入院した方は5%で、A型とB型で経過は同じくらいでした。
重くなりやすいかどうかは、型よりも、その方の年齢や持病で変わります。CDCは、65歳以上の方、2歳未満のお子さん、妊娠中の方、ぜんそくや肺・心臓・腎臓の病気、糖尿病などがある方を、重くなりやすい方として挙げています。
福岡市は第43週に注意報レベル
福岡市保健所の集計では、2026年第43週(10月19日〜25日)のインフルエンザの定点当たり報告数は10.50でした。前の週は9.63です。同じ週の福岡県は10.00、全国は9.49で、全国の昨年同じ時期は6.29でした(厚生労働省)。福岡県は10月15日に、県全体の数が注意報の目安の10を超えたとして、注意報を出しています。
定点当たり報告数は、あらかじめ決められた医療機関1か所あたりの、1週間の患者さんの数です。
今季の福岡でA型とB型のどちらが多いかは、福岡県感染症情報センターが型別の検出数として公開しています。この記事では、その数字までは確かめていません。
今季のワクチンはA型2つとB型1つ
2026-27シーズンのワクチンに使うウイルスの株は、2026年5月26日の国の小委員会で次の3つに決まりました。
- A型(H1N1):A/スイス/6849/2025
- A型(H3N2):A/ミシガン/105/2025
- B型(ビクトリア系統):B/東京/EIS13-175/2025
厚生労働省のQ&Aは、A型とB型のどちらにも効果が期待される3種類の株のワクチン(3価ワクチン)と説明しています。流行のピークは例年1月末〜3月上旬なので、12月中旬までに接種を終えることが望ましいとされています。
型が分かったあとの過ごし方は同じ
治療や休み方の考え方は、A型でもB型でも変わりません。厚生労働省のQ&Aから、型を問わない目安をまとめます。
- インフルエンザの薬(抗インフルエンザウイルス薬)は、発症から48時間以内に使い始めると、熱の出る期間が通常1〜2日短くなるとされています
- 発症後1〜3日はウイルスを多く出すので、外出を控えます
- 学校は、発症した後5日がたち、かつ熱が下がった後2日(幼児は3日)がたつまで出席停止です
- 学校や職場に戻るときに、治ったことや陰性を示す証明書は要りません
- お子さんや未成年の方は、急に走り出すなどの異常な行動が出ることがあります。治療を始めてから少なくとも2日間は、一人にしないでください
- 高い熱が続く、息が苦しい、意識の様子がおかしいときは、早めに受診してください
当院では、インフルエンザと新型コロナウイルスの迅速検査(抗原定性検査)を行っています。結果は15分ほどでお伝えしています。
まとめ
- A型とB型は、症状だけでは見分けられません。型は検査で分かります
- B型だから軽いとは言えず、重くなりやすいかどうかは年齢や持病で変わります
- 福岡市は2026年第43週に10.50で、注意報レベルです。今季のワクチンはA型2つとB型1つの株で作られています
参考文献
- 福岡市保健所「福岡市感染症発生報告数(定点報告)」第43週(2026年10月19日〜10月25日)
- 福岡県「インフルエンザ注意報を発表します」(2026年10月15日)
- 厚生労働省「インフルエンザの発生状況」令和8年第43週分(2026年10月30日)
- 厚生労働省 季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの製造株について検討する小委員会 第4回 議事要旨(2026年5月26日)
- 厚生労働省「令和8年度冬季 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」(令和8年9月30日版)
- CDC. Clinical Signs and Symptoms of Influenza (reviewed Feb 4, 2026)
- CDC. People at Increased Risk for Flu Complications
- Irving SA, et al. Comparison of clinical features and outcomes of medically attended influenza A and influenza B in a defined population over four seasons: 2004-2005 through 2007-2008. Influenza Other Respir Viruses. 2012;6(1):37-43.
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※2026年9月22日 訂正:出典の表記に誤りがあったため修正しました。
※2026年11月2日 更新:2026-27シーズンの情報に書き直し、参考文献を一次資料で確かめて直しました。
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外来で実際によく聞かれる質問・よくある誤解・受診時の流れまで踏み込んで書きました:
インフルエンザA型とB型、症状はどう違うのか|note