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アトピー性皮膚炎の方は要注意!夏に多い「膿痂疹(とびひ)」とは

[2025.08.14]

膿痂疹(のうかしん、通称:とびひ)は、皮膚に細菌が感染して水疱やかさぶたをつくる皮膚感染症です。子どもに多い病気ですが、大人でも発症します。特にアトピー性皮膚炎を持つ方は皮膚バリアが弱く、膿痂疹になりやすいため注意が必要です。


膿痂疹の原因とアトピーとの関係

膿痂疹の原因菌は主に以下の2種類です。

  • 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)

  • A群β溶血性連鎖球菌(Group A Streptococcus)

アトピー性皮膚炎の皮膚は乾燥しやすく、かゆみのために引っかき傷ができやすい状態です。この傷口から細菌が侵入し、膿痂疹を発症しやすくなります。特に夏場は汗や湿気で菌が増えやすく、感染が広がりやすい環境です。


症状の特徴

膿痂疹には大きく2つのタイプがあります。

  1. 水疱性膿痂疹
     透明〜膿性の水ぶくれができ、破れるとかさぶたになります。黄色ブドウ球菌が主な原因。

  2. 痂皮性膿痂疹(伝染性膿痂疹)
     赤くただれた皮膚に厚い黄色いかさぶたが付着します。A群β溶血性連鎖球菌が主な原因。

アトピー患者さんでは、両方の型が同時に見られることもあります。


診断と検査

多くは症状から診断可能ですが、重症例や再発例では培養検査で菌種と薬剤感受性を確認します。近年は**MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)**による膿痂疹も増えており、抗菌薬選択の際に注意が必要です。


治療

日本皮膚科学会「膿痂疹診療ガイドライン2021」では以下の治療が推奨されています。

  • 軽症例:抗菌薬含有軟膏(ムピロシン、フシジン酸など)を患部に塗布

  • 広範囲や発熱を伴う例:内服抗菌薬(アモキシシリン+クラブラン酸、セファレキシンなど)

  • 耐性菌が疑われる場合:培養検査結果に基づき薬剤を変更

アトピー患者さんでは基礎の皮膚炎の管理(保湿・抗炎症外用薬)も並行して行うことで再発予防につながります。


感染拡大を防ぐために

  • 患部を清潔に保つ(シャワーで優しく洗浄)

  • タオルや衣類の共用を避ける

  • 爪を短く切って掻き壊しを防ぐ

  • 学校や職場での感染拡大防止に配慮(学校保健安全法に準ずる)


再発予防のポイント(アトピー患者さん向け)

  • 毎日の保湿ケアで皮膚バリアを守る

  • かゆみは我慢せず抗炎症薬でコントロール

  • 夏場や汗をかいた後は早めに洗浄・着替え

  • 家族内に皮膚症状が出た場合は早期受診


まとめ

膿痂疹は「子どもの病気」と思われがちですが、アトピー性皮膚炎を持つ大人にも起こります。特に夏は感染リスクが高まるため、早めの受診と適切な治療が重要です。皮膚バリアの維持と生活習慣の工夫で、感染予防につなげましょう。


【参考文献】

  1. 日本皮膚科学会膿痂疹診療ガイドライン2021

  2. Bowen AC, et al. PLoS One. 2015;10(8):e0136789.

  3. Koning S, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2012;(1):CD003261.


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