【夏に注意】朝起きられない、フラフラする…それ「自律神経の乱れ」かも?~10代に多い体調不良の正体~
はじめに
「夏になると朝起きられない」「立ちくらみがする」「授業中に眠くなる」。
これらの症状、実は**自律神経の乱れによって起こる『起立性調節障害(OD)』**という状態かもしれません。
特に中高生に多く、夏は症状が出やすい季節です。
今回は、そんな「夏に悪化する自律神経トラブル」について、わかりやすく解説します。
「起立性調節障害」ってなに?
難しい名前ですが、簡単にいうと
“立った時にうまく血の巡りをコントロールできず、体が不調になる”状態です。
こんな症状がある人は要注意:
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朝なかなか起きられない
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立ちくらみやふらつきがある
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動悸や息切れがする
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疲れやすい、授業に集中できない
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お腹が痛くなりやすい、食欲がない
なぜ「夏」に悪くなるの?
🔹汗をかいて脱水気味に
→ 水分不足で血液が減ると、脳への血流も減ってふらつきやすくなります。
🔹暑さで血管が広がる
→ 血が下半身にたまりやすくなり、立った時に脳に血が行きにくくなります。
🔹冷房との温度差で自律神経が疲れる
→ クーラーの効いた室内と外の暑さを行き来することで、体がだるくなりがちに。
どうやって治すの?
① 日常生活の工夫が第一!
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朝はゆっくり起きる(急に立ち上がらない)
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水分をしっかり摂る(1.5~2Lが目安)
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塩分もやや多めに(味噌汁、梅干しなど)
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軽い運動で血流改善
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夜ふかしせず、規則正しい生活を
② 必要に応じてお薬も
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血圧を少し上げる薬(ミドドリンなど)
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動悸がつらい人にはβブロッカー
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漢方(苓桂朮甘湯など)も選択肢に
当院では症状に合わせた対応をしていますので、ご相談ください。
学校の理解も大切です
この症状は本人の「気のせい」や「怠け」ではありません。
周囲の理解があることで、症状はぐっと良くなります。
必要に応じて診断書や学校提出用の説明書類もお渡ししています。
まとめ:夏の「朝がつらい」は自律神経からのサインかも
夏の体調不良、特に朝の不調や立ちくらみは「自律神経の乱れ」から来ているかもしれません。
一人で悩まず、早めに相談を。
生活の工夫と適切な対応で、元気な夏を取り戻しましょう。
参考資料・エビデンス
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日本小児心身医学会「小児起立性調節障害診療ガイドライン 2021」
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高橋祥友ほか「思春期の自律神経失調症とOD」
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日本自律神経学会報告書
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Medscape: Orthostatic Intolerance in Adolescents
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